January 25, 2006

単騎、千里を走る at イイノホール3

1月22日

単騎、千里を走る」の試写会を見てきました。
この映画は日中合作で、『HERO』『LOVERS』などで知られるチャン・イーモウが監督、主演は高倉健です。
この二人は15年前から知り合いで、監督の「いつか健さんの映画がとりたい」という願いが実現した熱い思いの映画になります。単騎千里

ストーリーはそんな二人を反映してか、親子愛を初めとした人と人とのつながりをテーマにしたものになっています。
田舎で漁師をしている主人公(高倉健)は、長年不仲になっていた息子(中井貴一)の命が短いことを息子の嫁(寺島しのぶ)から教えられます。そこで彼は、息子の夢だった中国の仮面劇、「単騎、千里を走る」をビデオに撮るために中国へと向かいます。
そこで出会った心優しい通訳さんや、中国奥地で暮らす人々と育まれていく温かい友情を描かれた作品です。

これを見てまず思ったのは、中国の奥地の素晴らしさです。
中国の歴史を感じさせる建物が連なり、それが雄大な山々と澄み渡った青空と見事に融合していて、心が洗われます。
そして、そんな素晴らしい所に住んでいる人々もまた素晴らしい。
たった一人の旅人のために町中の人たちがテーブルを長くして一緒に食事をし、「友達」と呼んでくれます。
まるで長年の知己のように接してくれる彼らは、今の日本人にはない温かさにあふれていました。
いいなぁ、こういうところに一回旅行に行ってみたいなぁ。

高倉健と中国の小さな友人との友情も素敵でした。
お互い言葉が通じない中、ちょっとした事件を乗り越えて仲良くなっていく様子は、仲良くなるのに言葉も年齢も関係ないんだなぁって思わせてくれます。
特に別れのシーンには泣かされました。
この子には一回も会ったことのないお父さんがいて、それが高倉健親子との対比になっています。
この映画のラストには、刑務所でそのお父さんの息子への愛が溢れるシーンがあるのですが、会場からすすり泣きが聞こえてきたほど感動的でした。

実は、私にはどうしても主人公の行動が府に落ちないところがあって、イマイチ共感できないところがあったのですが、興味を持たれた方は見に行って見てください

↓ネタバレ。



その腑に落ちなかった行動ですが、この物語を根本から否定することになるかもしれません。
どうして、息子がビデオで語っただけの「単騎、千里を走るを撮りたい」という言葉を鵜呑みにしてしまったのか。
その言葉が本音かどうか、まだ撮ってないのかなど確かめることもせず、一目散に中国へ向かう様子にあっけにとられてしまいました。
息子の嫁からの再三の帰国のお願いも無視して、自分の信念を貫く様には感動というよりは落胆さえ感じずに得ません。
そんな細かいことを気にせずに映画を楽しめば良かったのかもしれませんが・・。

結局、息子の死に目にさえ会えず、悲しみを堪えながら劇を撮る様子には胸をつまされましたが、かわいそうにと思う反面、自業自得だなぁって思ってしまいました。
私って冷たい人間だー・・。
どうしても中国に飛び立つという大それたことをやる前に、日本でやれることがあったように思えちゃうんですよ。
その前に、なぜ息子に会わなかったのか。
会えなかったからこそ、今回の行動があったのは重々承知ですが、最後までその考えを引きずってしまい、素直に感動できなかったのは残念です。

もっと心を広くして、映画を楽しまないといけないなぁと思いました。



emy0824 at 23:39│Comments(3)TrackBack(5)映画 

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4. 単騎、千里を走る  [ 週末に!この映画! ]   January 27, 2006 00:26
期待値:50%  高倉健さん主演×チャン・イーモウ監督作品。 「単騎、千里を走る」は三国志に由来。
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この記事へのコメント

3. Posted by チャン   January 29, 2006 18:51
私も同様の感想を持ちました。馬鹿な行動だなと。せめて早く日本に帰れば息子と再会できたはずだし、芝居の撮影にこだわる必要はなかったはずです。

でも、不自然な脚本だとは思いませんでした。むしろ、共感したわけで。簡単にいえば、主人公は素直になれないオトコなんだと思います。子供の病気が心配だから毎日見舞いに行くのではなく、ひそかにお百度参りをするような男。恋人が好きだから会いに行くのではなく、その気持ちを形にするためにひたすら働いて稼ごうとする男。病気の苦しみを分かち合おうと、自分を何かに追い込まなければ気がすまない男。ひとりよがりに過ぎないんですけど、そういうヤツっているもんです、いまだに。
2. Posted by えみ   January 27, 2006 00:45
>チェルスキーおおむらさま

お越しいただきありがとうございます。
そうか、同じ境遇に立たないと分からないことかもしれませんね。
確かに、彼を反面教師に周りにいる人に優しくなれた気がします。

考え方一つですよね。
1. Posted by チェルスキーおおむら   January 26, 2006 09:49
TBありがとうございます。もう映画をご覧になったのですね。

主人公の一見やみくもな行動は、同じ境遇の人間の立場から見ると共感できるのかもしれません。逆に、彼の行動を反面教師ととらえることで、家族を大切にしよう、と自分に言い聞かせてみたり。

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