クロムモリブデン 不躾なQ友サヨナライツカ(一ツ橋ホール)

January 09, 2010

ANJIN イングリッシュサムライ(銀河劇場)2

チケ掲で譲ってもらい、C列下手6000円で見てきました。

まず劇場について。
この劇場でこんなに前で見たのは初めてでしたが、きっつい!!
舞台が目の前にあるのは6番から。1~5番は目の前は壁です…。
そして舞台の高さは目線。
つまり、下手だった私は常に右側に首を傾け、さらに上を見上げるという…。
もちろん舞台上手は舞台袖までくっきり見え(もちろん見切れてないけど)、舞台下手は隠れていてよく見えず、さらに役者さんはほとんど中央を向いているので下手寄りの役者さんは背中しか見えないし、上手寄りの役者さんは遠くて顔が見難かったです。
さすがに端っこの席はお客さん入れてないみたいでしたが、こんな劇場作ったの誰だーーー!!
場所も天王州アイルとかいう、周りに何もない場所だし…。
まあ、アートスフィアの頃からお世話になってますが、近くで見るには向いてないっていうことが嫌になるほど分かった公演でした。

いやー、なんでこんなにチケット代が大暴落してるのか分かる作品でした。
はっきりいって単調すぎる舞台。
役者の無駄遣いです。もったいないー。

舞台は1600年、鎖国前の日本。英国人航海士のウィリアム・アダムスが乗船していたリーフデ号が難破し、豊後国(今の大分県)に漂着。帰国を望んでいたウィリアムだが、後に三浦按針という名で、日本史上ただひとりの青い目のサムライとなるのである…。 この物語はウィリアム・アダムスの激動の人生と、彼と大きく関わりを持つことになる徳川家康、宣教師、武将、そして外国人商人たちとの交流や葛藤を描く歴史大作。(ちけっとぴあより)

歴史大作だけに、大河ドラマを無理やり3時間に押し込め、歴史の出来事だけをなぞってしまっていった印象を受けました。(下手な歴史の授業みたいな感じ。)
そのため、登場人物1人ずつに感情移入ができず、その場面その場面で目立つ役者が頑張るものの、淡々と進んでいくのを目で追うような見方になってしまい残念です。

下手、上手、舞台上に字幕があって、日本語は英語に、英語は日本語に翻訳されてました。
ちょうど自分の目の前に字幕があったため、目の前見て、右見てを繰り返し…。
なんだか物語に集中できなかったような。
ある程度のリスニングは出来ると思ってたんですが、私風情ではやはり無理だったようで、なんとか藤原竜也の英語が聞き取れる程度でした。
が、英語日本語、さらに通訳してたりと言葉が重なる部分が多く、字幕を見ればよいのか英語をもしくは通訳を聞くべきかなんだか混乱してしまいました。

実在の人物、ウィリアム・アダムスをトニー賞俳優の英国人ティールが演じ、彼の友人の宣教師役が藤原竜也、徳川家康が市村正親でした。
ティールはそこそこ良かったし(英語での演技はよく分からん)、藤原竜也もきれいな英語を流暢に話してた。
市村正親も威厳あり、孤独感も醸し出す家康を好演してたと思うんですが、何にせよ台本も演出も酷くて…。

イギリス人の演出家ってみんなこうなんでしょうか?
おそらく日本を意識した琴などの単調な音響や大砲などの散発の効果音だけで、盛り上がりどころなどが全くなく、合戦も淡々と進んでいきました。
音響効果って大事だなって改めて実感。
どうしてこの題材を舞台にしたかったのか、というところまで下がっていきそうなのでこの辺で。

開演:18時
1幕  :1時間25分
休憩:20分
2幕  :1時間35分
終演:21時20分

「ANJIN イングリッシュサムライ」
ホリプロ五十周年記念 日英合作 舞台企画

演出:グレゴリー・ドーラン
劇作・脚本:マイク・ポウルトン / 河合祥一郎(脚本共同執筆)
音楽:藤原道山
衣装:小峰リリー
出演:市村正親 / オーウェン・ティール / 藤原竜也 /植本潤
    桜田聖子/床嶋佳子/小林勝也/高橋和也/鈴木亮平他
東京公演:天王洲 銀河劇場 09/12/10(木)〜10/1/18(月)
S席-10,500円/A席-8,400円
大阪公演:シアター・ドラマシティ 2010/1/22(金)〜2010/1/31(日)

↓ネタバレ



ストーリーおさらい。

漂流船が日本(西の方?)に辿り着く。
船には火薬や大砲が載せられていたことや、アダムスがイギリス人であることから捕らえられる。
当時、どうやらイギリスと仲の悪いスペインが日本で幅を利かせていたらしく、スペイン人の宣教師アントニオでたらめな通訳をしたりして、アダムスに不利に働いたのだ。
そこで、日本人宣教師のドミニコ(藤原)が通訳について徳川家康のところへ。
家康は外国を知りたい、大砲を買いたいといいアダムスを高く評価する。
その後、関が原の戦いで勝利するも、家康は故郷に帰りたがるアダムスを無理やり引きとめ、三浦の旗本にしてしまう。
その名も、三浦按針。
国に妻も娘もいるのに、日本で妻を娶れ、子供を作れと言われ、お雪と結婚一男一女をもうける。
三浦ではドミニコの宣教により、キリスト教が布教されていく。
しかしドミニコは元々侍出身だったこともあり、関が原の戦いで侍の血が騒ぎ、北条家に侍として仕える事に。(おい、理不尽だなと思った瞬間。)

このへんでしばし熟睡タイム、だってつまらな…。

目が覚めたとき、どうやら大阪の陣の真っ最中(笑)
家康の親子の確執やドミニコの初陣での真田幸村(?)の首取りなどが演じられていく。
家康の寿命が残り少なくなった時、按針が地球儀を持ってお見舞いに。
家康は世界を見たかったが見られなかった。
この地球儀だったら世界なんかひとっとびだと笑う。(このシーンよかったー。)
そして能を舞う。
孤独だった家康、子供の未来、日本の未来への思いを乗せたこの能は見事でした。さすが市村。

一方、大阪の陣で秀忠が勝利したことにより、クリスチャンへの取締りが厳しくなっていた。
アンジンの妻、クリスチャンのお雪は十字架が手放せなかったが、これをドミニコが持っていてはいけないと言って取り上げる。
この十字架が役人の目に留まり、捕らえられるドミニコ。

かくしてアンジンはひとりぼっちに。
捕らえられたドミニコに会いに行ったとき、ドミニコは十字架に張り付けにされていた。
(ちなみに白ふんどし一丁。ほっそい体と乳首を堪能させてもらいました。あ、あとあばらも浮いてた。横からだとお尻のところの布とかも見えて眼福でした(変態?)。)

完。


アントニオのでたらめな通訳では笑いがおきてました。
人間臭い感情をばらまいていて、一番感情が飲み込みやすい役だった。

藤原竜也は黒いちっちゃい帽子に黒い宣教師服で細さばっちり分かる服。
感情があらわになる場面が少なく、ちょっと物足りない役かなー。
やっぱ蜷川と組んだ時が半端ない。



emy0824 at 23:31│Comments(0)TrackBack(0)演劇 

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