February 06, 2010

「血は立ったまま眠っている」(Bunkamuraシアターコクーン )3

蜷川なら難解な寺山修二でもおもしろく料理してくれるに違いないと思っていたんですが、蜷川でも難しかったです。
役者はみな好演していたし、もちろん蜷川の演出も素晴らしく、寺山修二ワールド的確に表現していたと思うんですが…、私の頭ではストーリーがよく分からず、残念でした。

舞台上に全く何もない現実から、喧騒、雑多な街、不揃いな人々を怒涛のように押し出してきて、安保闘争の混沌とした時代へと客席の意識を持っていくオープニングは見事でした。
この人が生きているうちは、この人を超える演出家は出ないだろうってことを改めて実感させられるほどでした。
遠藤ミチロウの歌声もまた、あの時代に生きる人々の声にならない叫びを代弁しているかのようで、寺山修二の行き場のない怒りや悲しみを伝えるのに効果的だったと思います。
オープニングからラストまで一貫して舞台に流れていた青臭い主張。
さすが蜷川!と言わざるを得ないすごい演出でした。

競馬場の裏に位置する港町。
転がるドラム缶、どこかから、猫の鳴き声―。
公衆便所の前では、いつも張(遠藤ミチロウ)の悲鳴のようなブルースが響いている。

倉庫には自衛隊から盗みをはたらき革命を目論む若いテロリストがふたり住み着いている。良(森田 剛)は尊敬する灰男(窪塚洋介)に何とか認められようと、落書きや窃盗など“破壊活動”に精を出す。殺伐としながらどこか牧歌的なふたりの時間が流れていた。

寂れた床屋の主人(六平直政)は、仲間の一人、そばかす(柄本佑)がもってきた闇取引の話に加われず、いらだちを隠せない。集まるチンピラや娼婦たち。ペギー(蘭妖子)は張の弟、ドラマーの陳(丸山智己)を誘い、葉っぱ(江口のりこ)はインチキな占いを繰り返し、釘(金守珍)や南小路(冨岡弘)とぐずぐずとした日常をすごしている。

詩人の夏美(寺島しのぶ)が現れる。彼女こそは、良が愛してやまない姉だった。灰男と夏美が恋に落ち、それまで平穏だった良と灰男の関係が歪み始める。そこにひとりの男(大石継太)が訪れる。ダイナマイトを見せ、英雄になりたくないか、とテロ活動をふたりに迫る。そしておこる悲劇―。
(公式HPより)

えぇえ!そんな話だったの…。
全く分かりませんでしたよ…。

物語はメイン3人(森田、窪塚、寺島)の倉庫側と、六平さんが床屋を務める床屋側とで平行して進んでいきます。
森田剛は、初めて舞台を見たんですがいい声してますねー。
良の純粋さ、純粋が故の危なさを上手く表現していました。
灰男に憧れ、姉を慕い、自由を夢見る青年が無邪気で可愛くもあり、可哀想でもあり。
あの寺山修二独特の詩のようなセリフを、決して浮かせることなく自分のものにしていたのはすごかったです。

対して窪塚ですが、期待していた分ちょっと残念でした。
灰男の狂気さをもっと出して欲しかった。
彼ならできると思ってたんですが、細い糸一本でぎりぎりに保たれている精神が見たかったな。
もうちょっと太いロープで保たれてましたね。
抑えた演技をしようとして、気持ちまで押さえつけてしまった感じです。

寺島しのぶはもうさすが。
存在感は抜群でしたが、さすがに18歳の役は…。
そして、この役を彼女がやる意味が分かりませんでした。
もったいないー。

そして、六平さん。
おそらくあまり舞台慣れしていない役者たちの多い床屋側のシーンを、1人でひっぱっていってました。
もうね、この人ほんとに大好きです。
強面でチャーミング、ドスの聞いた声でお茶目。
相反する2面性を楽しめる役者さんです。

惜しむらくは、その床屋側のセリフがほとんど聞き取れなかったこと。
全く発声のなっていない方もいらっしゃって、何が舞台上でやりとりされているのか全く分かりませんでした。
期待していた柄本明の息子、柄本祐にいたっては聞き取れたセリフの方が少ないぐらいで、残念でした。

客席が出入り口になっていて、しょっちゅう役者が出入りして舞台を大きく使っていたのは良かったな。
客だって傍観しているわけじゃない、当事者なんだってことですかね〜?

もともと理解が難しい舞台。
最低限セリフは客席に届かせて欲しかったです。
演出だなんだっていうよりも、セリフが聞き取れることが一番大事なんだなって痛感しました。

一幕 1時間45分
休憩 15分
二幕 45分
計 2時間45分

なんかね、時間配分が違う気がするんですよね…。
やたら退屈だった前半。
あっと言う間に盛り上がって終わっちゃった後半。
もうちょっとなんとかならなかったのかなぁ。

作 寺山修司

演 出 蜷川幸雄

出 演
森田剛、窪塚洋介、遠藤ミチロウ、金守珍、
大石継太、柄本佑、冨岡弘、丸山智己、
三谷昇、六平直政、寺島しのぶ 他

音楽 朝比奈尚行/遠藤ミチロウ
美術 中越司
証明 服部基
協力 九条今日子/テラヤマ・ワールド

公演日程 2010年1月18日(月)〜2月16日(火)
S\9,500 A\7,500 コクーンシート\5,000 (税込)

主 催 Bunkamura/Quaras

↓ネタバレ



頑張ってストーリーおさらい。

まずは舞台。
本当っに何もないです。
そして、開演5分前ぐらいになったら奥の壁が開き(おそらく搬入口)、外の駐車場が丸見えに。
普通に「Kinokuniya」とか「vivarage」とか書いてあるトラックが置いてあり、トラックの運ちゃんが歩いてました。後ろにはタクシーも通ったりして…。

そしてその駐車場の奥から赤い大きな旗を持った人々が舞台上に向かって走ってきます。
うわぁーー!って叫びながら。
そして舞台上で旗を何度も大きく振ると、音楽がかかり、人々の代わりに白い馬と茶色い馬がかけてきます(人が二人入るやつね)。
それを自転車で追う六平さんw
雑多な床屋、倉庫、公衆便所のセットが一気に奥から湧き出てきてあっと言う間に安保闘争時代へ。
さらに低身長の方(男の人と女の人)、ヨタロウさんの歌うブルース、猫を公衆便所に捨てる少年などが猥雑な雰囲気を醸し出し、鬱屈とした時が流れ始めます。
ここの演出が本当に見事でした。
感動ものだー。

床屋の人々は、やたら年の食ったカンカンの姉さんや、やたら痩せた姉さん、ブラジャーをつけた男の人、低身長の人など不揃いで雑多な雰囲気がよく出ていました。
が、ほんと何言ってるか分からなくて…。
上手の床屋で首吊って死んでる男の人。
それに恋をしかけるカンカンの姉さん。
そういえば、このカンカン娘3人いて、途中で火を囲むシーンがありました。
占いをしてあげるとか言ってて、「マクベス」へのオマージュですね。
なんだかよく分からないけど、床屋の六平さんが彼らに捕まってボコボコにされてイスに括り付けられてました。
そこに現れた六平さんの息子(猫捨てた子)。
結局六平さんを助けず、死んだ六平さんをイスごと押しつつ、泣きながら退場。
好きだったり嫌いだったり複雑な心境だったんでしょうか?
それから、床屋側の人々は何か犯罪を犯したらしく、警察?につかまり監獄へ。
だけど結構自由な感じで。

さてさて、倉庫側。
初めは良と灰男だけです。
灰男が良に破壊活動するように勧めます。
なんかねー、森田剛がかわいくって。
膝抱えてさ、「灰男さんっ!」ってキラキラした目で懐いちゃってさ、自分のちょっとした行動を自慢げにしちゃったりさ。
もともと好きなタイプだったこともあり、いやーやっぱジャニだわ〜っていとおしく見ちゃいました。

しかし、良がしたのは壁に「自由」って書いただけ。
そこで姉の話が出てきます。
良と違って勉強ができ、詩がかける姉。

次の次のシーンかな?
倉庫でHになだれ込む男女がいて、そこにたたずむ灰男。
そこへ姉の夏美がやってきて、灰男に襲われてしまいます。
ここがね、きっと寺島しのぶだった所以なんでしょうねー。
が、あの清楚なヅラと大きな顔が似合わず…、さらに18歳設定にはさすがに無理が…。
まあよしとしましょう。うん。
で、彼女と付き合い始めた灰男。
今まで革命だ!って言っていた彼の狂気さはなりをひそめ、おとなしくなっていきます。
自分の愛する姉を盗られたこと、尊敬する灰男の考えが変わったことに戸惑い、いらだつ良。
ここの叫び暴れる森田剛がよかったー!
トラックの上で、なにかを蹴っ飛ばして破壊してました。
そうそう、あっちこっちに飛び乗ったり降りたりさすがジャニってほど身軽だったな。
確か彼はダンスも上手かったはず。

その後、なんかダイナマイトを売る人が登場。
これで革命を起こせだかなんだか。
あと、ピストルを手に入れた良。
これで人を…。って、客席に下りて通路でビシッってやってるのがかっこよかったな。

このへんで一幕終了だったかな。

2幕はその良くんがピストルで人を打つところから。
が、打った相手は姉の夏美。
驚き、悲しむ良。
灰男も悲しみ、彼女に口づけをし、口を離すとなぜか彼女の口から血のように赤くて平べったいひもが。
灰男も口で赤いひもを伸ばしていきます。3メートルぐらい?
そんで、彼女をひっぱって(仰向けの状態で)退場。
ここの演出分かりませんでした…。なんだろう?名残惜しいとか?
口から血が出るほど的な?

その後、灰男はダイナマイトを持って爆破に行きます。
良はそのダイナマイトは偽者だったと聞かされ、うわーっ!!ってなる。
公衆便所の壁の上に登っていって、うわーーっ!て。
が、遠くから爆発音が。
爆発したんだ!そしてまた、うわーーっ!って。
なんかこのへんの森田剛もよかったな。
いろいろな複雑な感情が出てた気がします。

そんで段々と減っていく街並みのセット。
最終的に何もなくなり、不揃いな人々だけ残る。
オープニングの逆で、後ろの駐車場に捌けていく人々。

あー、ぜんっぜん理解してないから全く分からないストーリー…。
もっと頭良くなりたいなぁ。



emy0824 at 23:08│Comments(0)TrackBack(0)演劇 

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